被相続人が老人ホームに入居していた場合の小規模宅地の特例

2013/06/27

平成25年度税制改正により、被相続人が老人ホームに入居していたことにより、相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていなかった住宅であっても一定の要件に該当すれば、特定居住宅地等として小規模宅地の特例の適用を受けることができるようになりました。
この一定の要件について、どのような老人ホームであれば該当するのかについて、先月末に公布された政令で規定されました。

1 小規模宅地の特例とは
相続開始の直前において、被相続人又は被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の居住の用又は事業の用に供されていた宅地等で、継続要件を満たすものは、一定の面積を限度として、その宅地の相続税の課税価格を80%減額することができる特例です。

2 特定居住用宅地等とは
相続開始の直前において、被相続人又は被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の居住の用に供されていた宅地等で、申告期限まで引き続きその親族の居住の用に供されていたものは、240㎡(平成27年1月1日以降は330㎡)を限度として、その宅地の相続税の課税価格を80%減額することができる特例です。

3 平成25年税制改正前
平成25年税制改正前は、被相続人が老人ホームに入居した場合には、相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていない宅地になってしまうことから、次の4つの要件をすべて満たしたときのみ特定居住用宅地等として小規模宅地の特例の適用を受けることができました。
① 介護のために入居したものであること。
② 貸付など他の者の居住の用に供した事実がないこと。
③ 空き家はいつでも生活できるように維持管理されていること。
④ 所有権又は終身利用権を取得していないこと。

しかし、近年の老人ホームへの入居の形態が、所有権又は終身利用権を取得する契約が多いことから、次の「4 改正後」のとおり改正されました。

4 改正後
平成25年5月31日に公布された改正政令(措置法令40の2②③)には、被相続人の居住の用に供することができない理由として次の2点が規定されました。

① 介護の必要のために入居したものであること。
② 貸付などの他の者の居住の用に供した事実がないこと。

したがって、平成26年1月1日以降の相続からは、所有権又は終身利用権の有無は無関係になりました。
また、対象となる老人ホームの施設は次のとおりです。
・認知症対応型老人共同生活援助事業が行われている住宅。(老人福祉法5の2⑥)
・養護老人ホーム(老人福祉法20の4)
・特別養護老人ホーム(老人福祉法20の5)
・経費老人ホーム(老人福祉法20の6)
・有料老人ホーム(老人福祉法29①)
・介護老人保健施設(介護保険法8㉗)
・サービス付き高齢者向け住宅(高齢者の居住の安定確保に関する法律5①)
・障害者支援施設・共同生活を行う住居(障害者総合支援法5⑪⑮等)

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