最近は、アベノミクス効果なのか?消費税増税前の駆け込み需要なのか?住宅メーカー各社の業績がいいようです。
自分の土地又は自分が役員を務める同族会社の土地を活用して住宅を建築しようとお考えの方もいらっしゃることと思います。
そこで、今回は、これだけは避けたほうがいいと考える、個人と法人との土地の貸し借りについて説明します。
法人が所有する土地の上に、個人が住宅を建築した場合において、個人が法人に対して通常収受すべき地代を支払わないと、下記のとおり様々な問題が生じます。
相当の地代とは、更地価額の6%の地代をいいます。相当の地代を受け取っているのであれば、権利金の収受がなかったとしても、権利金相当部分をも含めた適正な地代を受け取っているものとして、借地権の譲渡があったものとみなす借地権の認定課税がされません。
無償返還の届け出とは、借地を明け渡すときは、無償で行うことを所轄の税務署に申し出る届出書です。この届け出がある場合には、借地権の認定課税がされませんが、通常収受すべき地代相当額は給与として課税されます。
以上のとおり法人が所有する土地を個人に無償又は低額な賃借料で貸した場合には、個人に対しても、法人に対しても課税問題が発生します。
理由は、法人は会社法に基づき営利を得ることを目的として設立される団体です。
法人税の課税の考え方は、通常、権利金を受け取る商慣習のあるところでは、法人は権利金を収受します。したがって、法人が無償又は低額な対価の額で土地の貸付けを行った場合には、本来受け取るべき通常の取引価額を収益に計上するという取り扱いがされることとなります。
また、逆に個人が所有する土地の上に法人が所有する建物を建築した場合には、上記のような課税問題は発生しません。
(このブログは、作成時(H25.6月)現在の法令等に基づいて作成しています。)
税理士法人中部メトロ社員税理士 足立勝彦のブログ「不動産のなやみ」から掲載。
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